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石を巡る探訪記。“白い貴婦人”と呼ばれる稲田石の産地、茨城県笠間市に行ってきました。-前編
こんにちは、大沢です。
早いもので、もう師走となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
師走の由来は3つの定説があるということをご存知ですか?
- 一つ目は、「師(お坊さん)」も走る忙しさ説。
- 二つ目は、「し」が終わる説。
- 三つ目は、当て字説。
「師(お坊さん)」も走る忙しさ説。
一つ目は結構有名ではないでしょうか。「師」には、お坊さん以外にも教師・兵隊・御師なども含まれるそうです。
普段は「廊下を走るな」と怒る先生も、忙しくて廊下を走る
なんて話もあるそうです。もっともらしい話ですね。
「し」が終わる説。
二つ目の「し」が終わる説は、仕事(しごと)・四季(しき)・年(とし)の「し」の文字を取る。
「しわす」の「わす」は「果たす=終わる」という意味にとらえ、「し」が「終わる」になります。
当て字説。
三つ目は、日本書紀に12月のことを「シハス」と書かれています。これが後に「師走」という漢字がつけられた「当て字」だったという説。
上記3つが定説とされているらしく、他にもいろいろ説や憶測などがあるそうです。一つの言葉を調べて、その背景がわかると面白いですね!
前フリが長くなってしまいました(笑)
ここからが本番です。
いばらきストーンフェステバルに行ってきました!
雲ひとつない絶好の秋日和であった11月3日(文化の日)に、“白い貴婦人”と呼ばれる稲田石の産地である茨城県笠間市を訪れました。
茨城県といえば、香川県庵治町、愛知県岡崎市、に並ぶ石の日本三大産地のひとつ、真壁石を産出する真壁市が有名です。
真壁石をはじめ、稲田石、羽黒青糠目石、坂戸石、やさとみかげなど多くの銘石を産出しています。
余談ですが、茨城県は取締役本部長の照山、営業の海老澤の出身地でもあります。
目的は、茨城の石工の技、石が一堂に会す、「いばらきストーンフェスティバル 2016」(11月3日(木)から6日(日)で開催)です。
岡崎に続き、今回はどんな石に、そして職人の技術に出会えるのでしょう。
楽しみで寝られなくて、待ちきれず深夜2時に山梨を出発しました(笑)
そもそも稲田石とは?
[稲田石の写真]
~“白い貴婦人”と呼ばれる気品に満ちた御影石。正式名称は「稲田白御影石(いなだしろみかげいし)」
特徴
白色の鉱物(長石)が60%を占め、白く澄んだ石肌、均整のとれた石目、耐久性に優れた固い石質が特徴です。
白御影石と呼ばれるように、白い石肌が稲田石の大きな特徴です。石造物の気品と格調を高め、その堅牢性から永続的な美しさが約束されます。
稲田石を使用した代表的な建築物として、最高裁判所をはじめ三井銀行本店(本館)、広島平和都市記念碑、成田山新勝寺本堂などが有名です。
三井銀行本店(本館)
歴史
約6000万年前に形成された非常に新しい花崗岩とされます。
時間の経過による劣化が少なく、組織の締まった硬い石として江戸時代から石材として利用されています。
(本格的に採掘、加工されたのは明治時代半ばから)
墓石や建築材、土木用材などあらゆる分野で幅広く使用されている石です。
産地ならではの石の展示。「いばらきストーンフェスティバル 2016」
開催日時:平成28年11月3日(木)~6日(日)
開催場所:〒309-1611 茨城県笠間市笠間2345 笠間芸術の森公園(Google Map:https://goo.gl/maps/V1SLRB14huk)
紹介ページ「茨城県石材協同組合連合会」
丘の上からストーンフェスティバル会場を望みます。
真壁のご当地キャラクター「いしお」さん。ゆるい感じがかわいいですね。
なんと20寸角(一辺が約60cm)の墓石。大きい墓石です!
高さは2m30cmくらいあったでしょうか。175cmある私が、見上げるほどの高さです。
展示されている石製品は、産地ならではの石を活かしたものが多かったです。
その中でも石の加工やデザインなど、石屋さんそれぞれが工夫をこらしたものが多くあり、大変勉強になりました。
加工の技術も見事です。
やはり日本の職人の技術の細やかさはすごいですね。
いろいろ見ながら、「いや、うちの石工職人も負けていないぞ」などと思ったり(笑)
岡崎の技術と比較してどうかな~などと、新米のくせに偉そうに展示品を見て回りました。
開場前から入場することができたので、人が少ない時間にじっくりと見てきました。
会場は、「石のポスト」コンテストがあったり、「石の加工体験」、「石匠実演」など、各種イベントも盛り上がっていました。
岡崎ストーンフェアに続き、脱力系の石製品を発見。
だらしないけど憎めない。
なんとも愛嬌のある石像です(笑)
石は日本人にとって神聖な対象
小野石材店に入社するまでは、こうして石(特に墓石)を見ることは無かったのですが、石屋として視点を変えて見ると様々な発見があります。
お墓は日本の心の文化である “故人を想い、偲ぶ「祈り」” を伝えていける心豊かになれる場所です。
それぞれの家にある大切な想いの依り代となる “石” を知ることは本当に大事なことです。
古代から日本人は、石を神の依り代として「磐座」・「石境」・「磯城」と、祀るものとして石を対象にしてきました。
お墓とは、単純に石の一種では決してありません。
祈る方にとっての祖父であったり、祖母であったり、父であったり、母であったりするのです。
石屋としてさらに勉強していきたいと、フェスティバルを通じて感じました。
後編に続く。→後編は「念願の石山見学に行ってきました!!」
後編は「“白い貴婦人”に会いに行く!」と題し、稲田石の石山見学の内容をアップします。
後編もお楽しみに!
余談
ちなみに茨城といえば大洗磯前神社が撮影スポットとして有名です。
朝早く茨城に到着したので、ストーンフェスティバル開場前に行ってきました!
潮が上がってこないので、「もっとそばに行って写真を撮ろう!」と思い。
調子に乗って下におりたら、途端にビックウェーブが!
後ろが岸壁だったため、どこにも逃げれず直撃。
幸いにもカメラは無事でしたが、ヒザ下が完全に水没。
もちろん着替えなどは持っておらず。
車に戻り、しばらく暖房をつけながら乾かしていましたが、まったく乾かないので、靴とズボンがびしょ濡れのままストーンフェスティバルへ。
爽やかな秋空のもと、好天気で暖かさを感じるとはいえ、濡れたズボンをまくしあげ、水がしたたる靴で歩き回る姿はどう見ても不審人物でした。
会場のみなさん、申し訳ありませんでしたw m(_ _)m
余談の余談。
車の中で乾かしているとき、下半身はパンツ一枚で車の中にいたのですが。
こんなときに限って、勝負パンツの赤いパンツ。
警察官の方から「職務質問されたらどうしよう」と、赤いパンツ一枚で車の中で震えていました。
閑散とした薄暗い海岸沿いの駐車場で、なぜか赤いパンツ一枚で車に乗る中年男性…。
怪しい以外何者でもない(汗)
見られたら絶対に通報されると思いつつ、人が来ないことと、乾くまで夜が明けないことを願いながら赤いパンツ一枚で車内で呆然としていました…。
持っている男です…(泣)
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