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縄文人のお墓[三内丸山遺跡]を見て思った、日本人のお墓文化、お墓を持つ素晴らしさ。
10月になってすっかり日が落ちるのも早くなり、日々秋の深まりを感じる今日このごろです。
1120億分の1の奇跡
先月下旬には秋のお彼岸がありました。
9月23日の秋分の日は、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」によって制定された「祖先を敬い、亡くなった方を偲ぶ」日です。
秋分の日を中日とした前後3日間(計7日間)の秋彼岸にはお墓参りにお出かけになった方も多いのではないでしょうか。
私も家族と一緒にお墓参りをさせていただきました。
お墓参りで実感する「いのちのつながり」
10代遡るとご先祖さまの数は1024人になります。
この中の一人でも欠けると「私」は存在していません。
お墓参りをすると、「いのちのつながり」の意味を改めて考えさせられます。
小さな奇跡の連続。
最近、Mr.Childrenさんとdocomoさんのそれぞれの25周年をテーマとした”25周年ムービー”『いつか、あたりまえになることを。』を観ました。
今、目の前に見えている「あたりまえ」の世界は、
実は全然あたりまえではなく
小さな奇跡の積み重ねなのかもしれない
小さい娘がいる私にとって、
清原果耶さん演じる、女の子が成長していく過程は、高橋一生さん演じる父親の姿と重なり、観ていて目頭が熱くなりました。
最後に清原果耶さんが、
「25年分の奇跡があって、今の私がいる。 あたりまえの、わたしがいる。」
と締めます。
このCMを観ながら、自分の父親、母親、祖父、祖母、そのまた父の、母の…と、自分のご先祖さまに思いを馳せました。
人類学者で立教大学名誉教授の香原志勢氏によると、過去200万年の累積人口は1120億人という試算があるそうです。
日本石材産業協会 会長である射場一之氏はこの試算結果から、「親と子の出会いは1120億分の1の幸運」と書いておられます。
今を生きる私たちは、奇跡の連続で生かされている。
ご先祖さまがいたからこそ、家族も自分も生まれてきました。
いまを感謝し、恩に報いる努力をする。
世界が賞賛する、日本人の価値観はこうしたことから育まれてきたのに違いありません。
ご先祖さまや他の人に対する感謝と思いやりを育む場所。お墓はそのための場所です。
お墓参りがもたらす心の豊かさは、日本が誇れるお墓文化からもたらされます。
その文化の継承に携わることができる石材業であることに、誇りを持って仕事をしたいと改めて感じました。
5000年も前からお墓を大切にしてきた日本人
未だに全容が把握されていない、大規模な三内丸山遺跡
そんな折、機会があって青森県を訪れましたので、縄文時代のお墓があるという三内丸山遺跡へ行ってきました。
三内丸山遺跡は、日本最大級の縄文集落跡で、当初は野球場と公園の建設が進められていましたが、大規模な遺跡が発見され1994年に建設を中止、その後は遺跡として整備されてきました。(平成12年11月には、遺跡の国宝と言うべき特別史跡に指定)
(↑復元された大型掘立柱建物)
三内丸山遺跡の大きな謎の一つ、大型掘立柱建物。高さが14.7mもある、とても巨大な建造物です。(復元されたものはすべて想定復元)神殿、物見やぐら、モニュメントなどの説などあるそうですが、こんな巨大なものを縄文時代に作ったと思うと驚きですね。柱は直径で最大1mもあるクリの木で建てられていたそうです。
(↑復元された大型竪穴住居跡)
長さが32mもある大型の竪穴住居跡。集会所、共同作業所、冬場の間の共同住宅などの説があるそうです。
(↑復元された竪穴住居跡)
住居跡は、これまで550棟以上見つかっているそうです。復元された住居を見ると、当時はどんな生活をしていたんだろうと、想像を膨らませてしまいます。
(↑復元された掘立柱建物跡)
(↑盛土:土器や石器が土と一緒にすてられた場所)
縄文人のお墓、土壙墓(どこうぼ)
この遺跡には、「日本人のお墓の原点」とも言われる土壙墓が発見されています。なんと日本人は推定4500~5500年も前から死者を大切にしてきたのです。想像をたくましくすれば「死者(先祖)を人々の心のより処、精神的な支えとしていた」とも思えるのです。
その証拠に、この三内丸山遺跡では道幅が15メートルもあるメインストリートの両側に、整然と向き合って並ぶ土壙墓が、発掘されているだけでも約500基も現在までに確認されています。(三内丸山遺跡公式HP)
いまだ未発掘の場所も多く残され、この道は海まで続いていると推測されています。
(↑遺跡内に保存されている土壙墓)
生活に密着している重要な道の両側になぜお墓をつくったのか。
それは、縄文人が「死者を生きている人と同じように親しみを持って、あるいはそれ以上に大切にしていた」と考えられます。遠く離れた場所にお墓があるのではなく、むしろ生活に密着している場所にお墓があること。
それは、当時の縄文人にとっても故人は大切な存在であったことが想像できます。
(↑子どものお墓の遺構)
縄文の景色が色濃く残る三内丸山遺跡を訪れて、お墓は日本の文化と切っても切り離すことのできないものなのだと強く感じました。
なぜお墓を建てるのか―。
日々のお墓参りやCMを通じて、さらには縄文時代のお墓などを見て感じたこと。
日本人の伝統的で美しい先祖観や先祖供養の習慣、さらには「おかげさま」や「ありがとう」という報恩の気持ち、家族の絆の大切さや死に対する敬虔な気持ち。
これらが「お墓文化」から育まれているということ。
私たち石材店はこうした日本人の大事な文化の継承の一端を担っていることを忘れてはいけません。
お墓を建てることは、一生に一度と言われます。
お施主さまに寄り添い、真摯に対応すること。
代表の小野が、朝礼などを通じて「人間力の向上」を心がけるよう常に社員に訴えています。
どんな仕事でもそうですが、私たち石材業に携わる人間は、人間力を高めるためにより一層の努力をしなければいけません。
過去から受け継がれてきた想いをいまに、そして未来に引き継いでいくために今後ますます精進したいと思います! (○`・Д・´)9
参考、引用文献
日本人のお墓 小畠宏充 , お墓の教科書 日本石材産業協会発行
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